Tor リレーの要件はリレーの種類と提供する帯域幅によって異なります。

Tor リレーや obfs4 ブリッジを運用するための要件を満たしていない場合、Snowflake プロキシを運用することは、ユーザーが検閲を回避するのを支援するために帯域幅を提供する優れた方法です。

帯域幅と接続

非出口リレーは、少なくとも7000の同時接続を処理できる必要があります。 これは、一般消費者向けのルーターをのスペックをはるかに超えている可能性があります。データセンターなどの (仮想または専用) サーバーから Tor リレーを運用する場合は問題ありません。 自宅で一般消費者向けのルーターを利用して Tor リレーを運用する場合は、あなたの自宅のルーターが通信を正常に処理できるかどうか、動作を確認する必要があります。 高速出口リレー (100 Mbit/秒以上) は通常、より多くの同時接続 (10万以上) を処理する必要があります。

リレーは、少なくとも 16 Mbit/秒 (Mbps) のアップロード帯域幅および 16 Mbit/秒 (Mbps) のダウンロード帯域幅が Tor で利用可能であることが推奨されます。利用可能な帯域幅は多ければ多いほど良いです。 リレーの最小要件は 10 Mbit/秒 (Mbps) です。 10 Mbit/秒未満で 1 Mbit/秒以上の場合は、obfs4 対応のブリッジを運用することをお勧めします。 あなたのネットワークの帯域幅がどの程度あるかわからない場合は、 https://beta.speedtest.net (外部ツール) などの測定ツールを利用することで調査できます。

月間送信トラフィック

Tor リレーは、1か月あたり最低 100 GByte の送信トラフィック (および同量の受信トラフィック) が利用できる必要があります。 注意: これは、10 Mbit/秒 (Mbps) の通信速度で通信した場合の約1日分のトラフィック量に相当します。 より多くトラフィック (2 TB/月以上) が利用できる状態が推奨されます。 リレーは従量課金制プランではないサーバーで運用するのが理想的です。または、2 TB/月以上のトラフィックが利用できる状態が推奨されます。 従量課金制のプランの場合は、Tor を指定された量の帯域幅または月間トラフィック量しか使用しないように設定できます。

パブリック IPv4 アドレス

すべてのリレーには、ホスト上で直接 (推奨)、または NAT およびポートフォワーディングを介して、パブリック IPv4 アドレスが割り当てられている必要があります。

IPv4 アドレスは静的である必要はありませんが、静的 IP アドレスが推奨されます。 IPv4 アドレスは、少なくとも 3 時間は変更されず、同じアドレスである必要があります (情報の更新は 1 時間に 1 回しか行われません。IP アドレスの変更頻度があまりにも高い場合、リレーの新しい IP アドレスのリストをクライアントに配布する前に、リレーの IP アドレスが変更されてしまうため、そこでリレーやブリッジを運用しても意味がありません) 。

追加の IPv6 接続は優れており、推奨/奨励されますが、必須ではありません。 この IPv4 アドレスが必要であるという要件は、ほとんどの場合問題になることはありません (一般的なサーバーには少なくとも1つの IPv4 アドレスが割り当てられています) 。

注意: パブリック IPv4 アドレス 1 つにつき Tor リレーは 8 つまでしか運用できません。 8つ以上のリレーを運用される場合は、さらに IPv4 アドレスが必要になります。

メモリーの必要条件

  • 通信速度が 40 Mbit/秒未満の非出口リレーには、少なくとも 512 MB の RAM が必要です。
  • 通信速度が 40 Mbit/秒より速い非出口リレーには、少なくとも 1 GB の RAM が必要です。
  • 出口リレーでは、Tor のインスタンスごとに少なくとも 1.5 GB の RAM を推奨します。

ストレージ容量

Tor は、そこまで多くのストレージ容量を必要としません。 一般的な Tor リレーは、(OS 自体に加えて) Tor 関連データの保存に 200 MB 未満の容量を必要とします。

CPU

  • 最近の CPU であれば特段問題はありません。
  • AESNI をサポートする CPU を使用することをお勧めします (これにより、パフォーマンスが向上し、最新の CPU 上の単一の Tor インスタンスで送信・受信の各方向で最大約 400~450 Mbps の通信速度が利用可能になります) 。 ファイル /proc/cpuinfo に aes という単語が含まれていれば、CPU は AES-NI をサポートしています。

稼働時間

Tor には稼働時間の絶対条件はありませんが、リレーが1日2時間以上動作していない場合、その有用性は限られます。 リレーは 24 時間 365 日稼働するサーバー上で運用されるのが理想的です。 ただし、サーバーの再起動や Tor デーモンの再起動をすることは問題ありません。

Tor バージョン

セキュリティ上の理由から、Tor リレーを運用しているホストは、Tor のバージョンを、サポートされているバージョンからサポートされていないバージョンにダウングレードしないでください。サポートされていないバージョンの一部はセキュリティ上安全ではありません。安全ではないバージョンにダウングレードしようとするリレーは、Tor ネットワークから自動的に拒否されます。

結論

ブリッジリレー:

  • アップストリームおよびダウンストリームの帯域幅が 1 Mbit/秒以上。

ガード/中間リレー:

  • 少なくとも7000の同時接続を処理できる。
  • アップストリームおよびダウンストリームの帯域幅が 10 Mbit/秒以上 (16 Mbit/秒以上を推奨)。
  • 月間 100 GByte 以上のトラフィックを提供できる (理想は 2 TB 以上)。
  • リレーが 40 Mbps より遅い場合は 512 MB 以上の RAM、40 Mbps より速い場合は 1 GB以上の RAM。
  • IPv4 アドレス (少なくとも3時間同じであれば、動的でも静的 (推奨) でも可) 。
  • 少なくとも 200 MB のディスクストレージ。
  • 理想的な稼働時間は24時間365日ですが、リレーは1日2時間以上稼働している必要があります。

出口リレー: ガード/中間リレーと同様の要件に加え、以下の要件が必要です

  • 少なくとも 1.5 GB の RAM を推奨します。
  • 100 Mbit/秒より高速であれば、100,000程度の同時接続を処理できる。
  • 法的通知や潜在的な法執行機関からの問い合わせに対応できる。 自宅から出口リレーを運用しないでください。